2015年 09月 08日
恩を感じる人
普段忘れていてもふっと昔のことを思い出して感謝の念を新たにすることがある。
特に自分が小さかったとき、私の場合母がいない期間があって、そのときその事実を誰も知らないことをしてもらったことがあり、そのことを思い出すとあのように小さい私にあれほどしてもらったと、自分が年をとり相手が弱い立場になっておられるとき、恩返しをしたい気持ちになるのである。
そういうひとが私にはかなりいるような気がする。自分の感謝の気持ちを充分に伝えられることを何一つしていないことにも思い至るのである。
その人たちが生きておられる間に少しでもと思ったりする。人のいのちは思いがけないほどあっけなくて、突然身内の方から訃報が届く場合がある。
おとどし我が家に立ち寄って下さったご家族から先生の訃報が届いたのは去年の秋だった。息子さんの運転する車の後部座席から泣きそうな顔をして手を振られた姿が目に焼き付いている。
これが最後になるかもしれないとふとそんな気がしていた。でも会えて良かった。心残りのないように人と接しておきたいとしみじみ思われる今年の秋である。
by kei9594wa1576
| 2015-09-08 15:18
| エッセイ
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